fotowa(フォトワ)とOurPhoto(アワーフォト)の比較

「出張撮影のマッチングサイト」とは、出張撮影の需要が増加していることから急速に増えたサービスです。

現在、マッチングサイトは10社以上あるそうですが、アマチュアカメラマンがほとんどですので料金相場を比較するなら、口コミが多い大手2社だけで十分だと思います。

サイト名fotowa(フォトワ)OurPhoto(アワーフォト)
料金設定一律フォトグラファーによって価格変動制
税込価格21,780円~26,180円11,000円~66,000円
撮影時間1枠60分1枠60分
納品枚数75枚以上30枚以上
納品時期1週間以内2週間以内
ポイント満足できなければ全額返金おひねり(追加料金)機能

まず、どちらも料金の安さを感じますね。写真スタジオの相場が3〜6万円だと考えたら、やっぱり安いです。

OurPhotoで11,000円で良い写真が撮れたら超お得ですね!!!

※OurPhoto(アワーフォト)の「おひねり(追加料金)機能」というのは、もしよかったら追加でお金をくださいという機能で、アメリカで言うチップみたいなものだそうです。チップを渡さなかったら写真の出来に影響するのか気になりますけど。

プロカメラマンの業界基準では出張撮影の料金相場は2万〜4万です。

最低限の機材(カメラ・レンズ・ストロボ)、データ処理の環境(PC・HD)を維持していくコストを考えると、高くはありません。僕はプロカメラマンを始めて20年以上経ちますが、フィルム時代と比べたら何倍も安いんです。

例えば、僕の場合ですとプロ用一眼レフカメラ5台、レンズ20本、クリップオンストロボ5台、モノブロックストロボ2機、ジェネレーター1機、MacM2、MacBook Airなどになりますが、決してカメラやPCのスペックを重視しているわけではありません。プロカメラマンである以上、ユーティリティの向上やトラブル回避のために必要なんです。

fotowa(フォトワ)やOurPhoto(アワーフォト)のようなマッチングビジネスは、とても良いサービスだと思います。

たくさんの良い口コミを読むとわかるように、家族写真の満足度はカメラマンのスキルよりもコミニュケーション・人間力です。

そもそもカメラマンは資格が必要な職種ではありません。撮影機材と編集機材一式を持っていれば、誰でも「出張撮影カメラマンです」「家族写真専門のフォトグラファーです」と言うことができます。SNS写真の趣味から始まって、週末の土日だけアルバイトをする副業カメラマンが増えるのは不思議ではありません。インスタグラマーからプロカメラマンになったケースも多いんです。

とはいえ、OurPhoto(アワーフォト)の11,000円~は、さすがに疑問を感じます。

OurPhoto(アワーフォト)の仲介手数料は35%だそうです。11,000円の取引だと3,850円なので、カメラマンのギャラは7,150円。ここから往復交通費を引いたら・・。

サラリーマンの方が土日だけの副業、専業主婦の隙間時間を活用した副業として考えたら、趣味をお金に変えるビジネスとして成立するんでしょうけど・・。

「家族写真」って、そんな軽いノリで出来ますか?

お宮参りや七五三って、遠方から来られる祖父母様もいます。また、七五三写真の準備のためにパパやママはたくさんの苦労をします。

そんな軽いノリだと、トラブルになっていませんか?

「お宮参りの写真を依頼したが、赤ちゃんの顔が見えている家族写真が一枚もない」「かしこまったカメラ目線の七五三写真ばかりで萎えた」

at FOMEにご依頼を頂いたお客様のほとんどがマッチングサイトの利用経験があり、撮り直し希望のご家族が多いんです。

安い料金でアマチュアカメラマンに依頼したんですから仕方がないとは思います。しかし、実際にお話を伺って、さすがに酷いなと感じた「マッチングサイトのトラブル」を2つ紹介します。

①『撮影したデータが消えてしまった』

Aさんは、某大手マッチングサイトを利用して某女性カメラマンに七五三の出張撮影を依頼したそうです。当日は遠方から祖父母様も来られて、たくさんの場面でシャッターを切ってもらったとのことです(400〜500CUT)。

後日、そのカメラマンから連絡があり、『撮影したデータが消えてしまった』と言われたそうです。Aさんは、損害賠償がどうのこうのと言うよりも、「息子のお祝い」という大切な時間を奪われたことにショックを受けて、しばらく対応に時間がかかったそうです。

それから、数日経って、某女性カメラマンは悪びれもなく、規定の30枚の写真を納品してきたそうです。撮影当日は2台のカメラを使用しており、その内の1台のカメラのデータが消失しており、一方のカメラには30枚の写真が残っていたからです。写真の内容は、神社の本殿や鳥居等の風景カット、テストカットのような連続写真だそうです。

規定の30枚の写真を納品したので、こちらには過失がないと主張しているようでした。Aさんは、「データをこちらで復旧したいからSDカードを渡して欲しい」と言いましたが、某女性カメラマンに断られたそうです。

このお話を初めて聞いた時、絶句しました。

安い料金でアマチュアカメラマンに依頼したんですから仕方がないとは思います。だけど、さすがに酷いなと思いました。アマチュアカメラマンのミスに対してではなく、アマチュアカメラマンの態度に対してです。

写真というのは、時間を保存する唯一の手段です。データを消すということは「家族の時間を奪うこと」です。

もう時間は戻ってこないんです。

データ消失とは

上記の事例のように、『撮影したデータが消えてしまった』と言う人は、スタジオでカメラマンを始めましたという人に多いんです。要するに、写真スタジオで既に設置されたカメラのシャッターを押しているだけの人に多いんです。なぜなら、写真スタジオの撮影ではSDカードを使わないからです。

『撮影したデータが消えてしまった』と慌ててカメラをいじくり回した挙句、Google検索すると、復旧費用は30万〜という広告ばかり。「カメラのモニターではしっかり写真はあったのに!」アマチュアカメラマンの青ざめた顔は容易く想像できます。

「フォルダ内は0(ゼロ)」というSDカード内のデータを認識しなくなる原因は、「物理障害」(接触部が破損しているなどSDカード自体が故障する)か、「論理障害」(読み書きするデータに問題が起こる)です。

問題の主な原因は「SDカードの抜き差し」です。

SDカードの破損、水没などが原因の「物理障害」は業者に依頼するしかありませんが、SDカードの抜き差しによって発生した「論理障害」は復旧ソフト(1,000〜3,000円)で自力でデータを復元できます。

しかし、今回のケースで、「フォルダ内は0(ゼロ)」というSDカード内のデータを認識しなくなった時点で、やってはいけないことはカメラ側でのフォーマットです。カメラ側に「SDカードをフォーマットしますか?」などとエラーメッセージが出るのでやりがちなんです。これはデータの上書きになりますのでデータを復元できる可能性はなくなります。

また、SDカードの故障を疑って、カードリーダーに何度も抜き差しを行うことによって通電を繰り返すと障害が悪化します。

プロとアマの違い

「プロとアマの違いはなんですか?」とよく聞かれますが、答えは一つ「経験」です。

そして、「経験」は実力がないと積めません。

僕はプロカメラマンを始めて20年以上になりますが、上記の事件のように「フォルダ内は0(ゼロ)」というSDカード内のデータが認識しなくなった経験は4回もあります。これは、多い方だと思います。それだけ、コマーシャルのスタジオ撮影〜ロケーション撮影まで多くの現場をこなしてきたからです。

SDカードからデータをHDに移動してPCの画面を確認すると「フォルダ内は0(ゼロ)」という話は、決して珍しいことではありません。プロカメラマンであれば想定内のことです。

SDカード内のデータを認識しなくなったことは「事故」ではないんです。なので、僕はデータを復旧出来なかったことはありません。

なぜ、某女性カメラマンはデータを復旧できなかったのか?

マッチングサイトの運営はどういう対応をしたのか?利用規約にある運営側の責任の範囲内とは何を基準に書いているのか?

疑問は残ったままです。

例えば、もしも僕が、この女性カメラマンのように無知でデータを復旧する術を知らなかったとしたら・・。

プロカメラマンを生業とするなら、着物レンタル代金も自己負担して撮り直す時間を頂けるようお客様にお願いすると思います。

アマチュアカメラマンの態度は理解できません。


②派手な格好で大声で撮影するカメラマン

「拝殿前で大声で撮影しているカメラマンがいたので注意するために外に出たんです」と話す乃木神社の神主Aさん。

続けて、「カメラマンの格好が、とても神社ではふさわしくない派手な格好で驚きました。ご家族のご祈祷の際に、カメラマンの名前を聞いたんですけど、分からないそうなんです。マッチングサイトでニックネームだから。今までは、外部のカメラマンによる出張撮影について何もルールは設けてなかったんですけど、流石にもう無理だなということになって、逐一、カメラマンさんと面談して、名刺を頂いてから撮影許可を出すようにしました。」と大変困った様子で話してくれました。

これは、2022年に僕が乃木神社の神主Aさんとの面談の際の話です。

乃木神社はとても素敵な境内でお宮参りや七五三でも人気の神社です。atFOMEでも毎年3〜4回は出張撮影をさせて頂いており、神主Aさんとも面識がありました。

今回、面談となったのは、乃木神社の公式ホームページに「外部カメラマンの撮影許可は、撮影日とは別日に面談が必要(初回のみ)」と記載されるようになったからです。撮影許可の為に、別日に時間を設けるのは難しかったんですが、5年程お付き合いをさせて頂いているお客様からの依頼だったので足を運びました。

「カメラマンの格好が、とても神社ではふさわしくない派手な格好で驚きました」とお話しされていましたが、僕も赤坂日枝神社で何度も見たことがある男性カメラマンなので合点がいきました。ロッカー風というか、キャラクター風というか、ハロウィン風というか。

七五三とかでお子様にウケると思って、やっているんでしょうけど。大間違いです。

神社仏閣は公園ではありません。シャボン玉で遊んだり、和傘を使って撮影会をしたり。

撮影許可は「神事」を無事終えて、その記念に「写真」を残すという神社からのご厚意です。最低限のマナーを守れなければ、神前への不敬として「退去」となります。これは、カメラマンに限りません。

乃木神社は本当に良心的です。そもそも乃木神社には写真館があり、カメラマンが何人もいるんです。にもかかわらず、逐一、外部カメラマンと面談して撮影許可を出すんですから、本当にありがたい話です。

とはいえ、この年、明治神宮と亀戸天神が外部カメラマンによる撮影が禁止になりました。

出張撮影のマッチングサイトの常識のないカメラマンの為に、撮影禁止の神社が今後も増えることになるでしょう。

「少しでも安く写真撮影をしたい」という方には十分なメリットがあります。予算がなく、写真は1〜2枚あればいいというお客様にはオススメです。

デメリットは、クオリティーが低く、トラブルも多いということです。

「そもそもカメラマンの多くがニックネーム。どこの誰だかわからない。不安になる」
「神社でのお祝い事だから我々は正装で来てるのに、カメラマンはジーンズにビーチサンダルって!」
「集合写真で立ち位置などの指示がなく、祖父母の位置がバラバラで嫌になった」
「掲載されているサンプル写真と全然違うテイストだった」
「イメージ写真ばかりで、主役の子供のカメラ目線の写真が一枚もない」
「参道を塞いで長時間撮影していたので他の参拝客に怒られた」
「結局別のカメラマンに撮り直してもらい余分にお金がかかった」

アマチュアカメラマンの多くはサイト運営会社に所属しているわけではなく、人材紹介サイトに登録しているだけです。

写真のクオリティーをチェックされることもなければ、レベルを上げる講習もないので仕方がないんです。

at FOMEの出張撮影サービスでは、神社仏閣で撮影させていただくことが多く、最低限のマナーを守り、他の参拝客の皆さまのご迷惑とならぬよう、カメラマンへの指導を徹底しています。

たとえフリーランスカメラマンであっても業務委託契約していれば、「atFOMEのカメラマンの〇〇です」のように看板(責任)を背負うことになるので、服装や態度にも表れます。トラブルは回避できるんです。

「プロカメラマン目線で、fotowa(フォトワ)とOurPhoto(アワーフォト)どっちの写真が良いですか?」という質問がよくあります。

一応、登録してある閲覧をさっーと見た(写真だけですけど)プロカメラマンの意見としては、fotowa(フォトワ)はプロカメラマンもいてオススメです。

僕の知り合いで家族写真が上手なカメラマンもいますし、プロカメラマンで21,780円なら十分に安いです。安心して写真撮影をするならfotowa(フォトワ)がいいと思います。

OurPhoto(アワーフォト)は、写真の質はともかく節約したいという方に向いていると思います。公園で少し家族写真を撮る程度なら、安いのでオススメです。

とはいえ、写真の質や撮影とマッチングサイトの運営(fotowaやOurPhoto)は関係ないと考えた方がいいです。

マッチングサイトを運営している会社は、人と人を結びつける仲介ビジネスなので写真の仕上がりやテイストなどは全く関係ないんです。出来の悪い写真でも運営会社に非はないんです。なので、ここで比べている料金相場も仲介手数料を含んだ料金ですので、カメラマンの出張撮影料金というよりもマッチングシステム利用料金なんです。

例えば、次のような口コミがあります。

前日にドタキャン、代わりの人を手配もしてくれない会社です。お詫びが期限付きのクーポンで呆れました。お宮参りの後に撮るタイミングは当分無く、まだ先にクーポン利用したいので、期限無くして欲しいと伝えたのに出来ないの一点張り。お宮参りだったのに悲しかったです。

https://g.co/kgs/N6hdSYc

あまり読まずにサインしている人が多い「利用規約」には、撮影に関してトラブルがあった場合の運営側の責任について書いてあります。基本方針は当事者同士で解決です。運営側が緊急時の電話対応もしません。

上記のケースの場合、悪いのはカメラマンですが、運営側はカメラマンを雇用しているわけではないので代わりのカメラマンを手配するわけがありません。

要するに、「簡単にお客様の希望に合ったカメラマンを探せますよ」というサービスなので、写真についてはカメラマンに聞いてくださいというスタイルです。なので、アマ・プロ問わずたくさん登録してある閲覧を一から見ていった方が良いと思います。

食べログやホットペッパーのようにエリアや撮影希望日を絞り込むと、対応可能なカメラマンが一覧表示されるんですから探すのは本当に楽だと思います。

そういう意味では、出張撮影のマッチンングサイトは便利なサービスです。

但し、マッチングサイトでカメラマンを探す前に、「利用規約」は必ず読んで、その内容をしっかりと把握することをお勧めします。

お宮参りや七五三はお子様の成長を祝う日です。トラブルによって気分を害されたお客様の気持ちもわかりますが、一番可哀想なのはお子様です。

事情はともかく、子供はパパとママの笑顔が見たいんです。

お子様のためにも、利用するサービスやカメラマンは慎重に選んでから依頼しましょう。

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